2007/09/23 up





■ Set List ■
紅い華
brand new day (AN's all stars)
涙のあと
bloody moon
???
a man I'll never be (Boston)
春の小川
true love#1〜R
籠の鳥 (char)
気絶するほど悩ましい (char)
あの日あの時
alone



 高円寺です。ポロッポゥ。
 かねてからの宣言どおり、わし、今年5月に上京いたしました。現在の棲み家は高円寺。東京は杉並区、新宿まで電車で10分弱/生活するにも実に便利な街です。さらにその便利な街で駅から徒歩5分という恵まれすぎなトコに、ぴーすけ棲んでおります。最初のうちは逆方向の電車に乗ったり、駅から自宅にたどり着けなかったり(....)ということもありましたが....いや、今もないとは言い切れませんが(爆)....何とかやってるよ。みんな。
 そもそも、なぜに上京したのか?知ってる人は「今さら」、知らない人は「なんじゃそりゃ」な宣言です。

 この春、わしことPeepは加瀬さんとともにマネージメント・オフィス「dragonlion」を設立いたしました。

 これまた知ってる人は知っている(すんません)、わし、いくつかのWeb Designに加え、印刷物のDesignのお仕事もさせていただいてきました。山口に居る間は「副業」だったこのお仕事、いつも生来の気の弱さから(本当)「本格的にはできないよなぁ」と思っておりました。それが一変したのは、やっぱりflowersの制作に関わらせていただいたコトが大きかったです。....そ、これもひろあさ上では触れてこなかったけど、flowersに関わるDesign....Website、ブックレット、etc.。すべてPeepの手によるものです。加瀬さんから「力を貸してくれ」とお話をいただいて、最初は経験が浅すぎる(泣)と不安も山ほど抱えてスタートしました。そして予想に違わず(泣泣)、山あり谷ありの制作過程の中で、どれだけ加瀬さんに叱られ、そして励まされたことか。そんな貴重な経験を越えたことで生まれた想いがありました。

 この道を突っ走りたいと。

 ....準備を進める中、決心の代償は大きくて、失うものもあまりにも大きくて、愛する友人たちになかなか宣言することもできなかった。上京することを、やっとポツポツと伝え始めたのは、冬の終わり/上京約

高円寺の商店街。人の多さをのぞけば、山口と大差ない/爆
2ヶ月前。ごめんね、みんな。大切だから、言い出せなかった。当初、上京を反対してた加瀬さん。だけど、わしの覚悟と決心を受けとめてくれたあとは、「わかった。一緒にやっていこう」と、お仕事だけでなくこの右も左もわからん田舎者の上京に力を貸してくださいました。ちなみに、加瀬さんの力添えがなかったら今頃、わし高円寺じゃなくトンデモナク不便な場所に棲んでたと思う(笑)。今さら都会に憧れるトシでもなし(....)、しま●ら無いし(規模が違うッ!!)イワちゃん無いしナ●コも無いけど、追いかけるものがここにあるから。今、足下に横たう道を ただひたすらに歩いてくのだ。

 その高円寺で加瀬竜哉liveです。ご本人によると、高円寺はもちろんlive@杉並区自体、初だそうです。ちょっと意外。加瀬さん生まれも育ちも音楽活動の中心も(くくるな)東京だし、高円寺ってハコ多いしバンドマンも多いし、過去に1回くらいは経験あるかと思ってました。....が、ハコがあふれかえってる東京、驚くことでもないのか(あぁ田舎者さ)。8月23日。折しも2日後には「第51回東京高円寺阿波おどり」を控えて、何やらザワザワしたこの町で「Singer・加瀬竜哉」/1年ぶりに歌います。
 さて。今回のハコは高円寺PENGUIN HOUSE。駅から3分/ぴぃ宅から1分(笑/完全に日々の生活圏内)に位置するお店です。その名のとおり、店内には
 ペンギン。
 ペンギン。
 ペンギン。  ....ちょっと親近感。

....名前の由来はまたいずれ(爆)。

奥の窓から、お店に来るお客さんが見えるのです
地下1F/お店に降りてくる階段が、ちょうど窓から見える作りになっていてちょっとオモシロイ。開場時間となり、そこを通って続々とお客さんが入り始めます。顔なじみの方、初めましての方....あっという間に店内はいっぱいに。その中には、現在加瀬さんがプロデュースされてるサヤカimpossibleのサヤカさんや、一緒にC;LINEというプロジェクトをやっているave;newのシンガーさんたちの姿も。
 初めてのハコなんですが....エンジー(高円寺人/笑)になってまだ数ヶ月なんですが....『加瀬さんのライヴを、自分ちから歩いて来れる場所に来たんだな』という感慨がじわじわ。いろんな想いを持って店内をくるり見渡してみたり。まだ誰もいないステージには、主を待つガット・ギター、そして小さなテーブルに置かれた灰皿とステージドリンク。
....ステージドリンク???
 加瀬さんつ、ついにステージドリンクデビュー!?(核爆)
 ?が渦巻く中(オイ)、開演時間を少し回ったところで、タバコを手にいよいよ加瀬さん登場。細身に帽子にサングラス、と書けばお馴染みの格好。お馴染みだけど....どうなんですかそのシャツ(爆)。スパンコール付きのピンク(....)。客席のあちこちからも「おぉ〜」「キラキラしてる〜」と驚きの声があがって....あがるけど....その後に続く言葉は「....似合う」(ふはははは/....すんません)。久しぶりのライヴ/ソロとしてはもちろんだけど、ステージに姿を見せること自体数ヶ月ぶりということもあり、客席に並ぶのは笑顔ばかり。そんな客席を、同じく笑顔で見渡して、「こんばんは」。めずらしくギターを手にしないままで加瀬さんのMCで幕開け。

 PENGUIN HOUSE、初めてなのですが、live前/普通ならBGMにはにぎやかな曲が流れているはず。でも....この時、たまたま流れてたのは静かな、優しいピアノ曲でした。

 加瀬さんは、笑顔のままでした。
 対照的に客席は言葉を失いました。

 加瀬さんの「告白」。口にするためにはどれだけの覚悟が必要だったか、想像もつかない「告白」。ライヴ前にアップされていた加瀬コムの「メモ」には、"今回のライヴは闘いだ"と書かれていました。"sing or die" そう銘打たれた今夜のliveの意味が伝わってくる。この告白を、聞いていた方々がそれぞれどんな想いで受け止められたかはわかりません。....けれど少なくとも私の耳に届いたみなさんの"想い"は、静かで 強くて 温かかった。いろんな傷抱えて いろんな涙抱えて それでも笑ってる人には伝わることが嬉しかった。

 しんとしたハコの空気をはらうように、加瀬さんの明るい声。「宜しくお願いします」。歯切れのいいカッティングで始まったのは、R&Bアレンジでスピード感もある"紅い華"/一昨年の live 〜showcase〜 "tears" で披露された曲。ガット・ギターを手にする加瀬さんも見るのも久しぶり....そして、もう "showcase" じゃない。歌い始めて2年とちょっと。加瀬さん、声の伸びも 込めた想いも、もはや堂々とした「Singer」っぷり。そしてもぅ、もーぅ(笑)この曲の聴きドコロと言えば、パーカッシブなギターですよ!(大好き) 間奏の「ギター1本で3本分」のフレーズは、何度聴いてもすごすぎ。....実は、加瀬さん曰く初めて演るハコで鳴りがわからないから、間奏部分はカットするつもりだったそう。が、リハでやってみたらすごく音が良くて、「やろ」....と決めてました(当日かよ)。
 曲の間は聴き入ってる客席も、曲が終わると先ほどの「告白」がよみがえるようで....「一旦忘れてください(笑)」と加瀬さん。続いては、最近加瀬さんがサウンド・プロデュースを手掛け、加瀬コムの「トモダチ対談」でもお馴染み・森久保祥太郎さん率いるAN's all starsのカバー/力強いメッセージ・ソング、"brand new day"。....AN's all starsと言えば、フル編成のRock Bandであり、しかもツイン・ボーカル(!)。そのAN'sのナンバーをガット・ギター1本で/ひとりのSingerで演らないよ、普通。普通じゃないから演るんだけど(爆)。歌ってるよ、この人ふたり分(汗)。ただでさえ早い曲に乗る、想いの詰め込まれた歌詞をためらいもなく歌いきる。
 軽く自己紹介のMCをはさんで....と、ここで注目。加瀬竜哉Singerキャリア初のステージドリンク(....)。ただのステージドリンクなんだけど、別にどーってことないんだけど思わずシャッター(笑)。
 そして、ガットの柔らかいアルペジオで始まったのは"涙のあと"。....昨年2月、すでにお馴染み・『バンドの花道』に初出演した時にも歌ったこの曲、それもあって、かなりの回数聴いてきたんじゃないかな。その中で最高だったよ、今夜のは。歌そのものも、込められた優しさも。成長しなきゃ続ける意味はないって、加瀬さんは言い続けてきた。それは自分に対しての厳しさではあるけれど、何かにつけてすぐそばでこういう瞬間を見ると、どんな叱咤激励よりも励みになる。負けるもんかって(....大きく出たな)。
 次は新曲/"bloody moon"。今年4月にあったflower travelin' tour。そのツアー中に作った曲。....旅先でもじっとしてませんね(爆)。ってか、根っから音楽で出来てるんですねこの人。「福岡で見た、赤い、大きなお月さま....それを忘れないうちに歌にしておこうと思って」。ツアーに同行してた私も、その夜の月は見てます。本当に真っ赤で、大きな月でした。赤い月と言えば禍々しいものを想像しがちだけど、加瀬さんの目にはあくまで優しく映ったようです。─答えてcherry moon 明日の微笑の行方を─  ....拍手が消えないうちに、アルペジオで始まった曲"???".......まだ発売前なので曲名は出せないのですが、加瀬さんがアレンジを手がけた某バンドのカバー。実は私、初めてこの曲を聴いた時、ぼろぼろ泣いた。拙くて、不器用で、ひたすら一途な言葉たち。聴き終わって、加瀬さんと「いい歌でしょ?」と訊かれ、頷きあったことを覚えてます。そのくらい好きな歌であり、木訥さが大好きな歌うたいさん。そして加瀬さんの歌うコレは、また違った色を持ってた。間奏前の消え入るようなフェイクがとても切なかった。
 続いてのMC/「今年43歳、音楽を始めて28年....今年3月、僕がもっとも影響を受けた....もっとも大好きな、アメリカのロック・グループのメンバーが亡くなってしまいました」─2007年3月9日/Brad Delp逝去。当日の情報の混乱ぶりが偉大さを顕していたと思う。憶測やどこかの筋の情報が飛び交っても、ただ確かなことは、彼の時間は止まってしまったということ。....そして、彼の歌は永遠に残るということ。「僕がいちばん好きな彼の歌を歌います」─一瞬、天を仰いで歌い始めたのは、"a man I'll never be"。─that everything is just, the way it seems─ あんな風には歌えないよ....と言ってた加瀬さん、加瀬さんの声で歌ってあげることが大切なんだと思う。いつか、ピアノver.でも聴きたい。

 「今の曲は若い人は知らないだろうけど、次の曲はみんな知ってると思います。いや、知らないはずがない(笑)」─"春の小川"。昨年8月、加瀬竜哉2度目の『バンドの花道』出演/その夜、山口市湯田温泉で行われたliveで初めて歌いました。1番は、知らない人はまず居ない"春の小川"、そして2番で歌われたのは、微妙に違う歌詞/作詞者・高野辰之先生の原文のままの"春の小川"。この曲のモデルとなった河骨川を、まさしく源流とした加瀬さんの「川たち」への思い入れ/是非加瀬コム「no river, no life」でご覧ください!....と、昨年8月の段階では公開されてなかったので紹介できなかった(汗)。歌い終えたあとのMCで「川」について語り始める加瀬さん。高円寺を横切る桃園川(....これも、水が見えない川なんですが)についても知識豊富。live後、PENGUIN HOUSEマスター/通称ペンマス(笑)・丹沢さんが「あのMCは面白かったねぇ〜」と感嘆してました。....もしかして、丹沢さんは「普通の川だった桃園川」をご存じなんじゃないかと想像してみたり。....今度訊いてみよう。(^-^)
 「さて、歌って+しゃべって1年ぶりのライブ....そうか、歌うから疲れるんだな。ここでインストを1曲」─"true love#1〜R"。...."R"が流れ始めた瞬間、客席の一部から息をのむ様子が伝わってきた。この"R"、実はかつて、加瀬さんがとある舞台のために書き下ろしたもの。当時この曲を歌った方々も客席にいらっしゃいました。感激のあまり涙ぐむ姿、そして「すごく嬉しい....」というつぶやきも聞こえてきた。....こういう「想い」を、1曲1曲を、大切にするのが加瀬さんだ。そしてそれが誰かの力になるって、素晴らしいことだと思う。私の、加瀬竜哉ファンたる所以も、音楽的な魅力もさることながら もしかしたらそれに依るところが大きいのかも。
 続いて始まったのは"籠の鳥"/ご存じ、charのカバーです。ケンコ姐(SUPER ELEKING)にも聴かせたいっす。大喜び間違いなし(笑)。にしても、うまい。歌い込んでる。フェイクもとてもきれい。続く曲もcharのカバー/「ひとつ、手拍子のできる曲でもやろうかな」....現在、加瀬コムのトップでも聴けます+見れます。おなじみ、"気絶するほど悩ましい"。客席からは手拍子と掛け声も。
 大きな拍手を受けて、次の曲/"あの日あの時"。かなりキーの高い曲を、力を込めて歌い上げる。─あの日あの時あの道を 選んでしまった もう戻れない─加瀬さんの書く歌詞は、やっぱり女性らしくて そして決意に満ちてる。"闘い"の一端を、この曲からも感じる。
 ....そして、1年ぶりに歌う加瀬竜哉。最後の曲は"alone"。─歌うということ。歌うことで表現できること、伝えられること。solo liveとして1年ぶりにステージに立った加瀬さん。あらためて音楽的に、またファンとして感じたのは、いつまでもゴールが無い人なんだな/成長し続ける人なんだな、ということ。幾度も聴いてきたこの曲。加瀬さんの手で、これからも育ててあげて欲しい。「ありがとうございました」/過去のliveと同じように、客席に向かって深く頭を下げる加瀬さん。live前と同じ場所にガット・ギターを戻すと、もう一度深く礼をしてステージをあとにしました。....次に歌ってくれる日を、誰よりも待ち望んでるのはこのギターかもね。


対バン・RTBB。メンバーみなさん高円寺にお住まいだそうで....
 live後、対バン/Rumblin' Tornado Brothers Bandさんもご一緒に、PENGUIN HOUSEで遅くまで飲みました。来てくださったお客さんたちともお話できました。誰ひとりとして、面と向かっては加瀬さんの「告白」について触れられなかったことが、それでも いえ、だからこそ大切に受けとめてくださったことがよくわかって、本当にありがたかったです。
 ときに今回、いや今回も(爆)レポるにあたり、多大なる御協力をいただいた敏腕カメラマン・6340さん、ありがとうございました!ツボを押さえてくださるその手腕、本当にいつも助けていただいております。なんと、今やご近所さんです(「んと....微妙に遠い....」と言われたけど気にしない/爆)。
 それと、個人的なことで申し訳ないですが....liveが終わって、今までと何がいちばん違うって、ぴぃすけ明日新幹線に乗らなくていいんです。今夜、ここから1分歩いたら「うち」なんです。遠くなってしまった故郷と、「地元」になった高円寺。実感と、決心と、ギュッとした痛みと。全部大切に抱えて 突っ走ると決めたんだい。
 皆様、これからもよろしくお願いします。加瀬さん、どうぞよろしくお願いします....!(^-^)


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オマケ/live数日後。「第51回 高円寺・東京阿波おどり」開催。
わー 高円寺で阿波踊りだー
わー わー ホントに阿波踊りだー
わー
................帰れんばーい。(実話)