Peep's murmur : 09

音楽のチカラ II
2005/10/03

 ふははははひさびさ(すぎ)のmurmurは大掃除の賜物のお話。
 ビデオテープの整理をした。(これだけでも私にとっては「大掃除」) ビデオ、そして本の整理においての最大の戒めは 『「お♪」と思っても途中で開くな』。毎回戒めては毎回失敗してるような気もする。
おい
 今回こそはその手には乗らんぞと (誰のせいだ) 黙々と整理してたのに、やっぱり出てくるんだ。何のラベルも貼ってないテープが。かなり古いっぽい....見なきゃ整理はできないが....かといっておもしろかったらどうするだ....(何かわかんないのに/いや、わかんないだけに想像が働く/笑)。ここは整理を優先し (ある意味理性の勝利) 、「終わったらそのテープが見れる」 ことを励みにしてみた。これでどーでもいいビデオだったらどーなったことか(笑)。
 そ。結果、どーでもよくない いやいや、「よくぞ出てきてくれました」 ビデオだった。中身は Guniw Tools の PV 集。ご存じない方のために説明しておくと Guniw Tools/グニュウツール (現在は....休止中と言ったほうがいいのかな?)、リリースする全ての曲にPVを作ってきたバンドです。インディーズ時代からずっと。当時何かで読んだけども、曲と同時に、映像のイメージもセットになって生まれるので、グニュウにとっては両者を切り離すことが不自然だと。何たってメジャー初のリリースもPVだったし。しかもそのPVのほとんどを本人達だけで作ってしまう徹底ぶり。....ま、理由云々よりも愛するバンドのひとつ。当然リリース時には全部の曲を耳にしてるわけだけども....。
 誰でも経験あるんじゃないのかな。初めて聴いた時は特別に感じなかった曲 (「好きなバンドの曲である」という事実はともかく) なのに、ふと何かのきっかけで鷲掴みにされてしまうってこと。私も過去にいくつかそういう経験がある。....で、今回はこのビデオテープの中に「その曲」があった。
 『不断の窓』/CD「SPARKY」及びDVD「VV SPARKY」収録。もちろん聴くのも見るのも初めてじゃなかった。なのに....鷲掴み。もう、FULLの手の翳し方からじぇいくのギターからあげくはエキストラの女の子の横顔にまで、涙。それを麻薬のごとく繰り返し繰り返し ....20回以上見た。頭痛がするくらい泣けた。もちろん曲を含め、作品の良し悪しが最大のポイントだけど、やっぱりそれに加えて自分の今の現実とか心の位置とか。それが噛み合った時に鷲掴みにされてしまうんだろう。泣きたかったんだろう、たぶん。今回は、この曲がその堰を切ってくれた。それで何かが劇的に変わるなんてことは無理だけど....でも、ね。やっぱり、感謝。

 ところで。先日、某国立大学教授を退職した、「物理学博士」とか....あ〜 あといろいろ(爆)難しい称号を持つ方とお話しする機会があった。かなりご年配の方だし、お会いするまでは 「気難しい人だったらどうしよう」 と気が重かった。が、いざお会いしてみれば何というか....その、失礼なんだけども、一言で言うと「少年」っぽい方だった。んで、それをうっかりと素直にそのまま口にしてしまった私。すると、それに対して怒りもせずニコニコと答えられて曰く/「理系はね、基本的にやんちゃなんですよ」。コレとコレ混ぜたらどうなるだろ?なんて好奇心から始まる学問ですからね、と。........へ〜〜 妙に納得させられた。
 では、対して「文系」はどうか?これまた一概には言えないことだけど、対極とはいかないまでも「薄幸の」なんて冠が付く文人って多いんじゃないかな。内側に内側に入り込んで突き詰めることによって「名作」を生み出した方とか。....たとえそれが「現実の自己」を犠牲にするとしても。つまり、軽く考える ことが出来ない性分。某小説内で実在の文人を評して曰く/「明るくなれば人は救われるのだが 哀しいかなあの男は詩人だ。詩人は救われてはいかんのだよ....」。....これにも一理あると頷いた。

 人間を 「理系」 「文系」 の2つでバシッと区別するなんて、そりゃ出来やしない。(出来たら世の中オモシロクナイ。) せいぜい「●系寄り」程度。 大事なのはバランスなんだろう。今回泣き疲れて放心状態で考えたこと。私の好きな音楽人は、ちゃんと両方の要素を持ってるんだなぁ、と。好きになる瞬間に、いちいちそんなことまで考えてないけれど(笑)。
 これから先、何度 「鷲掴み」 にされるチャンスに逢えるのかな。楽しみであり、少し怖くもある。幸せなことだけど、鷲掴みにされる側にも体力要求されるから。しっかり身体と、そして心も鍛えなきゃ。「どっからでもかかってきなさい(ΦωΦ)」と言えるくらいにね(笑)。....頑張ろっと。


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